パイロットになるには?現実的な4つの道と必要条件を徹底解説【2025】

「パイロットになりたいけど、どうすればいいの?」
この疑問を持っている方はとても多いです。

結論から申しますと、エアラインパイロットを目指すルートは、大きく4つあります。

  • 航空大学校ルート(国立)
  • 航空会社の自社養成ルート
  • 民間のパイロットスクール(自費訓練)ルート
  • 海外でライセンス取得ルート(→国内で転換)

この記事では航空会社で働く筆者が、
“夢と現実のバランス”を取りながら、わかりやすく解説します。

パイロットになる道【比較表付】

ルート費用(訓練に要する金額)概算難易度特徴向いている人
航空大学校約 350万円★★★★★コスパ最強/大手就職者多数/超狭き門若くて学力&体力に自信がある人
自社養成(ANA/JALなど)0円(会社負担)★★★★★最短で大手のパイロットへ/競争率高い人物評価・協調性・英語力に強み
私立大学パイロット課程1,500〜2,500万円(飛行訓練費)★★★★☆大卒+免許取得/若年層に人気進路が明確な学生/金銭的余裕がある
自費訓練(国内民間スクール)1,500〜2,000万円★★★★☆社会人でも挑戦可/就職は自己開拓転職勢/覚悟と資金力のある人
海外訓練(米・豪・加 他)1,000〜2,000万円(現地訓練費)★★★☆☆
英語が話せる前提
英語力UP/年齢枠が広い/免許変換必要国際志向/夢を諦められない人

【補足】
・学費(大学の授業料)ではなく、飛行訓練・ライセンス取得にかかる純粋な費用のみ反映
・海外は為替やフライトスクールで大きく上下するためレンジ表記

航空大学校ルート

  • 国立大学法人運営で訓練費用が最安
  • 航空会社に内定する人が多い
  • 航空大学校は 国が設立したエアラインパイロット養成機関
  • 入学には 一定の進学条件がある
    →4年制大学に2年以上在籍し、62単位以上修得している
    →短期大学または高等専門学校を卒業している
    etc…

ポイント

  • 採用試験は高倍率(倍率10〜30倍)
  • 身体検査の合格が大前提
  • 面接・適性試験が非常に重要

自社養成パイロットルート(ANA/JALなど)

  • 航空会社が一から訓練費を負担する“夢のルート”
  • ただし採用枠は超少数精鋭

ポイント

  • 人物面・協調性・判断力・メンタル耐性 が重要
  • 語学力は最低ライン(TOEIC 700〜800以上)
  • 「芯の強さ」と「チームでの安全意識」が問われる。

自費訓練(国内民間スクール)

  • 社会人が一番選びやすいルート
  • 卒業後は航空会社の採用試験を受験

ポイント

  • 免許を取っても就職できるとは限らない
  • 訓練費が高額
  • 就職実績のあるスクール選びが重要

海外でライセンスを取るルート

  • 訓練費が日本より安い
  • 飛行時間が稼ぎやすい(天候に恵まれ、飛行回数が多い)
  • 英語力が鍛えられ、国際線乗務にも強くなれる(英語ネイティブとの航空無線の対応は難易度が高い)

ポイント

  • 現地のフライトスクール入学
  • 全て英語で座学から実機訓練を実施
  • 最後に国内転換(JCAB)試験を受ける(日本で飛ぶには日本の免許に書き換えが必要)

ここで海外でのライセンス取得について深堀をします。

国・地域別の代表的なライセンス取得先と特徴

地域/制度主な特徴メリット留意点/デメリット
北米(例:米国、カナダ)米国はFederal Aviation Administration (FAA)、カナダはTransport Canada が認定。ICAO基準/英語での訓練。・飛行時間を稼ぎやすく、PPL→CPL→IR→ATPLなど段階的に取得可能
・世界標準の英語運用で国際キャリアに強い
・日本で働きたい場合、免許の「国内への切り替え(ライセンス変換)」が必要 — 手続きには時間・コストあり Alpha Aviation | TEST+2totalpilotsolutions.com
・変換後も日本の安全/法規に適応する訓練が求められることが多い 国土交通省
オーストラリア/ニュージーランド 等(英語圏)Civil Aviation Safety Authority (CASA) 等により、ICAO 規格のライセンスが発行される国も多い。・比較的費用対効果が高く、気象・空域の条件も訓練に恵まれやすい
・英語+国際基準での訓練環境
・やはり「日本で使うならライセンス変換」が必要 Alpha Aviation | TEST+2ジープラスフライトスクール
・母国語・文化・生活環境の違いが大きく、英語力と適応力が必要
ヨーロッパ(EU 諸国など)European Union Aviation Safety Agency (EASA) 規格のライセンス制度(例:Part-FCL)を採用。加盟国間で共通基準。 ・EU 全体で通用する規格で、ヨーロッパ域内の就職や転職に強み
・複数言語・多国籍クルー環境など、国際感覚が磨ける
・EASA → 日本への切り替えに関しては、書き換え受け入れ条件・実務経験要件など慎重に確認が必要 国土交通省
・訓練言語や手続きも国・学校によってバラつきあり
アジア諸国(英語圏・非英語圏)国により制度はさまざま。英語での訓練がある国もあるが、規模や信頼性、国際性に大きな差がある。・授業料やコストが比較的抑えられる可能性
・アジア圏でのネットワーク形成や、将来アジアの航空会社を目指す際の経験
・国によってライセンスの国際的な信頼性や、ICAO 基準の遵守状況が不均一
・日本で使うには「本当に切り替え可能か」を事前に慎重に確認する必要あり ジープラスフライトスクール

日本で働きたい ― 外国ライセンス取得後の「ライセンス変換(切り替え)」の現実

  • 外国(米国・オーストラリアなど)で取得したパイロット資格を、国内の資格(Japan Civil Aviation Bureau/JCAB のライセンス)に切り替えるサービスを提供するスクールやセンターも存在する。
  • 書き換えにあたっては、航空法規の試験(たとえば航空法や無線通信の知識)と、国内用の実技・操作訓練が求められることが多く、免許取得後すぐに日本の航空会社で働けるわけではない
  • また、日本の航空会社は、ライセンス取得国の制度だけではなく、「日本の安全基準・運航規定に適応できるか」を重視する傾向があるため、転換後の適応能力をかなり注視している。

つまり、海外でのライセンス取得は “ゴール”ではない。日本国内で飛ぶためには「日本での免許書き換え」を念頭に。

どんな人に「海外訓練ルート」は向いているか

  • 英語力があり、国際的なキャリアを視野に入れている人
  • 飛行時間を稼ぎたい/年齢制限など、国内での挑戦が難しい人
  • 日本国内よりも柔軟な訓練環境を経験し、視野を広げたい人

まとめ:夢を現実に変える最初の一歩を

いかがでしょうか?

パイロットになる道は狭く険しい部分はあります。
でも、道はいくつもあります。

大切なのは「夢を諦める理由」ではなく
「夢を掴むための方法」を探し続けること。

学生の時からパイロットになりたいと強い気持ちがあり、日本の航空会社を目指すのであれば、「航空大学校」「私立大学のパイロット課程」が良いルートです。

コストを最小化するのであれば、自社養成パイロットの仕組みを活用してライセンスを取得することも可能です。いま航空各社はパイロット不足に悩んでいるので、自社養成パイロットの入り口は以前に増して広がると見込んでいます。

国際の舞台でも大きく活躍したいという夢もあれば、海外でのライセンス取得に挑戦するのも良い方法です。

それぞれの道には、それぞれの未来や可能性があります。
将来、どういうパイロットになって、どういうキャリアを歩みたいのか? グレートキャプテンになるのか、海外でも通用するパイロットになるのか、将来的に航空会社のビジネス部門にも挑戦したのか。
「なりたい姿」を描くと、どの道に進むべきか見えてきます。

自分のなりたい姿と、それを実現するための道に関する情報収集をしっかり行うことが、夢を掴むうえで大切なポイントになってきます。

この記事がその一助になれば幸いです。

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